モラロジー道徳教育財団は、大正15(1926)年に法学博士・廣池千九郎が創立して以来、一貫して総合人間学モラロジー(道徳科学)の学問的研究と、これに基づく社会教育・生涯教育・累代教育を推進し、おかげさまで令和8(2026)年には創立100周年を迎えます。長きにわたり当財団をご支援いただきました先人・先輩、全国・海外の維持員の皆様、また地域社会や行政、教育委員会等の関係各位に深く感謝を申し上げる次第であります。
創立者は、「人類の幸福と世界の平和」という究極の“公益”の実現を志して、昭和6(1931)年よりモラロジーに基づく社会教育活動をスタート。昭和10(1935)年には、社会教育と学校教育を両輪とした道徳科学専攻塾を開設し、今日の公益財団法人モラロジー道徳教育財団および学校法人廣池学園(麗澤大学・大学院、麗澤中学・高等学校、麗澤瑞浪中学・高等学校、麗澤幼稚園)の礎を築きました。
100年にわたる歴史の中で当財団は、戦前・戦中・戦後の激動期を乗り越え、昭和22(1947)年には文部省(現・文部科学省)による財団法人の設立認可、平成22(2010)年には内閣府による公益財団法人の認定を経て、「民間道徳教育団体のパイオニア」として着実に発展を遂げてまいりました。今日では、研究・教育・出版・福祉事業をはじめ、様々な地域貢献、災害支援等の社会貢献活動を展開する「道徳のシンクタンク」「道徳教育のプラットフォーム」として、国内外で確固たる存在感を得るに至っております。
とりわけ、昭和38(1963)年からは学校教育への支援として、混迷を深める教育界の立て直しと教師の人間力向上を目的とした「教育者研究会」(現・道徳教育研究会)を全国各地で開催。60年以上にわたり、わが国の道徳教育の充実・発展に貢献してまいりました。
また、平成8(1996)年からは家庭教育への支援として、小・中学生等を対象に「家族のきずな」「いのちのつながり」「敬老」をテーマとしたエッセイ等募集事業を展開。全国の地方組織による取り組みの結果、毎年25万編の作品が集まる事業として定着し、各地の家庭や学校、行政や教育委員会等より高い評価をいただいてまいりました。
さらに、平成13(2001)年からは企業への支援として、道徳的な経営のあり方と人づくりによる良き企業づくりを追求する「道経一体経営講座」を開催。全国の経営者・幹部を対象に「道徳経済一体」「品性資本」「三方よし」等の繁栄と永続の指針を提示し、日本経済を支える企業の健全な発展に寄与してまいりました。
こうした中、創立100周年を迎える令和8(2026)年には、「次の100年」を見据えて様々な記念事業や記念行事に取り組みます。当財団はこれからも創立者の志の実現に向けて、全国500の地方組織、海外5か国の関連団体をはじめとする多くの共感者や支援者の皆様と共に、「道徳で人と社会を幸せに」という指針のもと、日本から世界へ“道徳の輪”を広げるべく邁進してまいる所存です。関係各位におかれましては、ぜひ本趣旨にご賛同いただき、ご支援・ご協力を賜りますよう心よりお願い申し上げます。
理事長