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2026.10.21 | お知らせ
創立100周年記念事業「道徳教育シンポジウム」を開催

 モラロジー道徳教育財団は、創立100周年記念事業の一環として、10月18日(日)、廣池千九郎記念講堂にて「道徳教育シンポジウム」を開催しました。当日は、現職の教職員や教育関係者など約100名が参加しました。(主催:モラロジー道徳教育財団/共催:麗澤大学/後援:千葉県・柏市・松戸市・野田市・流山市・我孫子・鎌ケ谷市の各教育委員会)

 開会に先立ち、「麗しの森アンサンブル」によるクラシック・ミニコンサートが行われ、会場全体が和やかな雰囲気に包まれました。

 主催者挨拶では、創立100周年記念委員会委員長の廣池慶一常務理事が、創立者・廣池千九郎が説いた道徳の理念を紹介し、一人ひとりが道徳を実践して品性を高め、その輪を家庭や職場、社会へと広げていくことの大切さを述べました。また、子供たちが相手の立場を理解・想像し、より良い行動を選び取る力を育むことの重要性を語りました。さらに、当財団が推進する毎年10月19日の「道徳の日」を紹介し、親孝行や清掃活動などの身近な実践を通して、日々の暮らしの中で道徳を意識する日としてほしいと呼びかけました。

 創立100周年記念特別企画「道徳授業&学級活動 実践記録」の表彰式では、全国から寄せられた40点の応募作品の中から、最優秀賞をはじめ各賞が発表されました(※入賞者一覧は記事末尾を参照)。続いて、最終選考委員長を務めた十文字学園女子大学の浅見哲也教授が講評を行い、各作品は現代の学校現場が直面する課題に真摯に向き合い、より良い道徳教育を実践する新たな可能性を切り拓く取り組みであったと評価しました。

 最優秀賞受賞者による実践発表では、静岡県袋井市立浅羽中学校の春日健之介教諭が登壇。「教師と教師をつなぐ」「生徒と生徒をつなぐ」「生徒と教師、生徒と地域をつなぐ」の3つの「つなぐ」を柱に、教師同士が対話を重ねて道徳の授業案をつくる仕組みや、生徒同士が互いの考えを認め合う活動などを通して、対話と共感を育む学級・学年づくりの実践記録を紹介しました。最後に、自身が中学時代の道徳授業で感じた温かな思い出を振り返り、「“道徳”で学校を変えられる」と力強く語りました。

 後半は、「人間力を拓くこれからの道徳教育」をテーマにパネルディスカッションを行いました。パネリストには、株式会社ジャーマン・インターナショナルCEOのジャーマン・ルース・マリー氏、十文字学園女子大学教授の浅見哲也氏、東京都多摩市立東愛宕中学校指導教諭の三浦摩利氏が登壇し、麗澤大学大学院特別教授の中山理氏がファシリテーターを務めました。

 冒頭で中山氏は、モラロジー(道徳科学)の概略として、創立者・廣池千九郎が今から100年前に、世界の倫理道徳や人間・社会・自然のあらゆる領域を考察し、人々がより良く生きるための指針を提示した「総合人間学」であると解説。その後、各パネリストがそれぞれの立場から、これからの道徳教育の課題と展望について提起しました。ジャーマン氏は、外国にルーツを持つ子供たちが増加する中、学校の中でも安心して過ごせる環境づくりについて、文化や言語の違いを理解し、互いに相手の立場に立って気持ちを伝えることの大切さを語りました。浅見氏は、学習指導要領の改定を見据え、多様性を尊重しながら日本の伝統をどう継承するか、生成AIやデジタル技術を活用しながら人間性をどう育むかなど、今後の道徳教育のあり方や課題を提示しました。三浦氏は、ICT(情報通信技術)を活用した意見の共有や、地域の文化・行事を題材にした教材づくりなどの実践事例を紹介しました。また、異なる考えに触れて自分の考えを深めるとともに、生徒が安心して意見を伝えられる環境づくりの大切さを述べました。

 続いて、参加者から寄せられた質問をもとに、外国にルーツを持つ子供たちへの対応や、生成AIと道徳教育の関わり、日本の道徳教育の強みなどについて意見が交わされました。生成AIについては、AIに頼りすぎることへの懸念が示される一方、AIの回答をきっかけとして、自分の考えを問い直す活用方法も紹介され、自ら考え、判断して行動する力を育むことの重要性が共有されました。また、日本の道徳教育の強みとして、相手を思いやる心や気配り、清掃や学校行事などを通じて集団の中で互いに高め合う文化が挙げられました。最後に、中山氏は、こうした議論を踏まえ、理論と実践を往還しながら子供たちの非認知的能力を育む道徳教育の重要性を総括しました。

 本シンポジウムは、世界が急速に変化し続ける現代において、多様な価値観を認め合い、未来の道徳教育のあり方を考える有意義な機会となりました。


【道徳授業&学級活動 実践記録 入賞者一覧】

最優秀賞
・「生徒も教師もつながり、対話と共感が生まれる『TEAM道徳』のあり方」
  静岡県袋井市立浅羽中学校教諭 春日健之介

優秀賞
・「地域文化と心を『つなぐ』道徳教育におけるカリキュラム・デザインの創造」
  埼玉県和光市立第四小学校教諭 古見豪基

優良賞
・「いじめと不登校が起こらない学級づくり」
   千葉県柏市立光ケ丘小学校教諭 板津仁美

奨励賞
・「給食でつなぐ心を育む共生」
  千葉県柏市立大津ケ丘第一小学校校長 佐和伸明

佳作

・「友と共に考え、友と共に動く」
  埼玉県寄居町立鉢形小学校教諭 木村洋介

・「つながりと対話を通して生徒の自信を育む実践」
  山梨県立ろう学校教諭 小澤伸英

・「『幸せ』を教わる教室から、『幸せ』を作り出す教室へ」
  愛知県豊橋市立富士見小学校教諭 水流卓哉

・「『つなぐ』『対話と共感』」
  福井県福井市立明道中学校教諭 増井輝子

・「知らない人と話すことから始まる道徳教育」
  島根県開星中学校・高等学校教頭 倉掛裕喜

・「豊かな心で主体的に活動し、よりよい生活を創り出す子供の育成」
  熊本県熊本市立田迎南小学校校長 荒木隆伸

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